ホテルの1滞在とは?わかりにくい「滞在数」と「宿泊数」の違いを解説します。

 

ANAスーパーフライヤーズ(SFC)JALグローバルクラブ(JGC)といった上級ステイタス会員資格を目指す、いわゆる「SFC修行」「JGC修行」をされる方も多いですが、同じようにホテル業界にもステイタス会員資格というものがあって、航空業界と同じように各上級ステイタス会員資格を目指して「ホテル修行」を敢行される方が世の中にはいます。

 

ちなみに私は、航空業界の上級ステイタス会員(SFC、JGC)を取得した後に、ホテル業界の上級会員に関心を持ったのですが、特にこのパターンでホテル上級会員に関心を持った方々が、まず最初に戸惑うのが「滞在数」と「宿泊数」の違いではないでしょうか。航空業界の上級ステイタス資格を得る条件として、「滞在数」と「宿泊数」の違いなんてないですからね。

 

この「滞在数」と「宿泊数」の違いを知れば、すでに航空業界で上級ステイタス会員を目指した方なら、あとはスムーズにホテル業界のステイタス会員を理解できると思いますので、まずはこの疑問だけスッキリとさせておきたいと思います。

 

ホテルの宿泊数とは?

 

まずは簡単な方から。

 

ホテルの上級会員を目指す際に必要な「宿泊数」とは、読んで字の如く「ホテルに宿泊した回数」です。 Aのホテルに3泊すれば、宿泊数は「3」。 Bのホテルに2泊すれば、宿泊数は「2」。 合計の宿泊数は「5」となります これは簡単ですね。修行をされない方でも理解出来ると思います。

ホテルの滞在数とは?

 

あまり知られていない概念がこちらの「滞在数」です。 結論から申し上げると、ホテル業界の「滞在数」とは、「チェックインしてからチェックアウトするまでを1回とする宿泊回数」です。

 

例えば、Aのホテルに1泊した場合は、1泊=1滞在となり、分かりやすいのですが、ややこしいのは連泊した場合です。 先ほどと同じ設定で「滞在数」を考えてみます。 Aのホテルに3連泊すれば、滞在数は「1」となります。 つまり、1泊であろうが、30連泊しようが、滞在数は「1」となります。これが「滞在数」の考え方です。

ホテルの上級会員ランクは宿泊数か滞在数をクリアすることが条件

 

ホテルの上級会員を目指す場合、ほとんどのホテル(あるいはグループ)で、上級ステイタス会員資格の条件として、「宿泊数」「滞在数」を挙げています。

 

例えば、ヒルトンホテルのヒルトンオナーズ(Hilton Honors)で、ゴールド会員となる条件として、

 

1)1年間に20回のご滞在

2)1年間に40泊のご宿泊

3)1暦年間に75,000ヒルトン・オナーズ・ベースポイントの獲得

 

いずれかを満たすこととなっています。

 

また、SPG(スターウッド・プリファード・ゲスト)(=マリオットホテル)のゴールド会員になるためには、

 

1)1年間に25回の宿泊

 

を満たすこととなっています。

※SPGについては、2018年8月18日~マリオットのリワード会員に統合され、ステイタス会員制度が変更となったことに伴い、条件も変更となっています。詳しくは以下のリンクを参照ください。

マリオットリワード会員特典概要

 

上級会員になるための戦略とは?

 

先ほどのヒルトンのゴールド会員になるための条件を見てみると、「宿泊数」より「滞在数」の方が、楽に上級会員資格を獲得出来そうです。ではどのようにすれば効率よく「滞在数」を獲得出来るのでしょうか?その戦略は以下の2つがあります(SPGで考えてみます)。

 

1)単純に20泊する(=連泊は効率が悪い)

2)別ホテルを交互に宿泊する

 

1)は、連泊を避けて、単純に20泊する戦略です。こちらは1泊づつ各地にあるヒルトンホテルを宿泊、あるいは同じヒルトンホテルを間隔を開けて宿泊するイメージです。これは分かりやすいと思います。

 

一方、2)の方は、どうしても仕事の都合などで、ある程度の連泊も避けられない場合の戦略です。同じヒルトンホテルグループで2つ以上のホテルが近隣にある場合に限りますが、その別々のホテルへ交互に宿泊し、滞在数を稼ぐ戦略です。

 

例えば、同じホテルグループで近隣にAのホテルとBのホテルがあるとします。

 

1日目はAのホテルへ宿泊、

2日目はBのホテルへ宿泊、

3日目はまたAのホテルへ・・・

 

この方法のポイントは、「毎日チェックイン、チェックアウトする」ことです。この方法ですと、仮に一度の旅で、通常だと連泊し、滞在数が「1」となるところを、宿泊数(=滞在数)を増やすことが出来ます。

 

一見、「え~、面倒だなー」と思われるかもしれませんが、「ホテル修行僧」の間では、「ホテルホッピング」といって、れっきとした上級会員になるための戦略なのです。

 

例えば、東京など大都市圏だとイメージしやすいかと思います。シェラトン都ホテルウェスティンホテル東京を交互に宿泊する・・・といったことが考えられると思います。

 

両ホテル間は距離にして1.8㎞、徒歩で約22分で移動できます。

 

この「ホテルホッピング」は一般人の方には理解しがたいと思いますが、飛行機を乗り継いでマイルを貯めるマイル修行をされている方であれば、理解しやすい活動だと思いますw

 

SPG(マリオット)ホテル修行の聖地はバンコク

 

あと、海外ではSPG(マリオット)ホテル修行僧の間で「聖地」とささやかれているところがあるのをご存知でしょうか?

 

それは「バンコク」です。

 

ザ・ウェスティン・グランデ・スクンビットシェラトン・グランデ・スクンビットは、道路を挟んで目と鼻の先にあるので、ホテルホッピングがとてもしやすいのです。

※ウェスティン、シェラトンはマリオットグループに統合されたので今は「滞在数」の要件は無くなってますが、宿泊数を稼ぐ戦略としてお考え下さい。

 

一度の出張や旅行でザ・ウェスティン・グランデ・スクンビットに3連泊した場合、1滞在の記録となりますが、ウェスティン→シェラトン→ウェスティンとホッピングすると3滞在or3泊を稼ぐことが可能になります。このくらいの距離なら現実的ではないでしょうか。

 

SPG(マリオット)でホテル修行しなくても「ゴールド会員」になれる裏技

 

「ホテル修行」という言葉があるくらい、何が何でも上級会員なりたい!という欲求の先には、「部屋のアップグレード」「レイトチェックアウト」など、様々な特典が用意されていて、ホテルライフをより高いグレードで満喫出来るからですが、これらの特典に価値を感じるのは、だいたいどこの会員制度でも「ゴールド会員」以上かと思います。

 

SPG(マリオット)でいうと、

 

無名会員(登録だけでOK)

シルバー会員

ゴールド会員

プラチナ会員

チタン会員

アンバサダーエリート会員

 

と会員ランクが上がっていきますが、実は「ゴールド会員」には、ホテル修行をしなくても会員資格を得ることが出来る方法があります。

 

その方法とは、「SPGアメックス(AMEX)カードを保有すること」です。これだけでSPGゴールド会員になることが出来ます。詳しくは「SPGアメックス(AMEX)カードとは?メリットと入会スケジュールを解説します」に詳しく書いていますので、ご関心がある方はどうぞ。

 

ホテル上級会員になる方法は人それぞれだと思いますが、出来れば最短距離を狙って、いち早く上級会員資格をゲットし、ホテルライフを満喫してみてください。